2007年8月29日水曜日

PLC実験計画その3

すっかりご無沙汰です。2日どころじゃすまなかった。田舎は付き合いが濃いから。

さて、その2の都築です。電灯線のコモンモードとディファレンシャルモードを分離するために、LCLプローブを作ろうとしてたのだった。もとはVKのマクファーレンって人が考えた回路だけど、そっちは英語だし大学とかでないと読めないので、Webでとれる都築先生達の論文を紹介しよう。この図2の回路を見てね。LCLを測るときはR3=25Ωがいるようだけど、今はジャンパーしとくか、最初からR3は無しでもOK。C1とC2は、この論文にも書いてあるように、セラコンをいくつかパラってHF全域でローインピーダンスにする必要がある。とりあえず0.1, 0.01を2本ずつパラっておくかな。

肝心なトランスだけど、アミドンのフェライトビーズFB-801-43に0.2~0.25mmのエナメル線を2本しっかり撚って、バイファイラ巻き6ターンする。巻き方わかんない人は、山村先生の定本を見てね。回路みれば分るけど、T2, T4はフロートバランで、ディファレンシャルモードを通してコモンモードを阻止する。T1, T3はその逆で、コモンモードを通してディファレンシャルモードを阻止する。














電灯線をつなぐ端子C,Dからディファレンシャルの端子A, Bへ行くにはT2, T3, T4で形成されるT型回路を通るので、前に見たモード分離回路よりもしっかりコモンが落ちそうだ。ディファレンシャルと言いつつ、実は、コモンも入ってるんちゃうんとかいういちゃもんがつきにくいのは良い。

ただし、プローブ全体をバランスよく作んないと駄目。トランスのリード線は長さを揃えて、配線は、このリード線を使って空中配線する。そのためには、ケースは小さいほうがやりやすそう。大学で見せてもらったのは、タカチのTD6-6-4Nだったけど、もっと小さいTD4-6-3NとかTD5-8-3Nの方が良いかも。小さいほうが安いし。

写真は左側のBNCがディファレンシャル端子A, B, 右側のBNCがコモンモード端子IN。
ケースの底の2つの端子がC1, C2、T1, T2の接続点。このLCLプローブは都築先生のと違って、C1, C2は外付けになっていて、バナナプラグと数十cmのACコードの間に入ってる。

ディファレンシャルモード端子は、Bを50Ωで終端して、Aだけ使う。

最初、送信して実験する方法を考えていたが、もっとずっと簡単で誰でもできる方法を思いついた。って、本当はヒントもらったんだけど。

まず、いつも使ってる無線機とアンテナで、強めで安定した信号を受信する。手始めに7MHzのすぐ上の放送とか、3.56MHzの将軍様とかで十分。次に、アンテナの代わりにLCLプローブのコモンモード出力をつないで受信、その次は、LCLプローブのディファレンシャルモード出力をつないで受信。3つのアンテナの聞き比べだ。当然、いつも使ってるまともなアンテナが一番強いはず。次に強いのは、コモンかディファレンシャルか、さーどっち?

今のPLCのルールは、コモン≫ディファレンシャルっていう前提で作られたらしい。もしも、差が小さかったり、強さの順番が逆だったりしたら、どうなるのかな?

本格的にやるなら、アイソレーションの良い切り替えスイッチで3つのアンテナを切り替えて、同じ信号を受信し、信号強度の差をステップアッテネータで調べてゆく。いつも使ってるアンテナの利得(dBi)が分っていれば、電灯線のコモンモードとディファレンシャルモードのアンテナ利得が出る。これを、1.8MHz~29.7MHzまで様々な周波数と、様々な方向からの信号に対して調べれば、電灯線アンテナの全容が分るはず。まずは、基準となるアンテナの利得が分っているアマチュアバンドでやるのが良いだろう。ローカルに電波出してもらうこともできるし。

電灯線アンテナの利得は、家によっても、コンセントによっても違うはず。いろんな家、沢山の家について、これを調べることは普通は難しい。でも、アマチュアやBCLが自分の家について調べて行けば、膨大なデータが集まるはず。どうせやるなら、アマチュアにしかできないことをやりたい。

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